mixiニュースってすごいね。しらなかった。

mixiニュースって、あんまり興味をそそられなかったのであんま考えてなかったけれど、あっという間にすごい機能に成長しているのね。

徳力氏がmixiニュースのバナー広告に与える影響を日記に書いている。

本来ならニュースのクリップ機能はmixiで提供するにしても、ニュースのソース自体をわざわざmixiのサイトの中に取り込む必要はないはずですが、Yahoo!ニュースよろしくサイト内にニュースを表示させたのは興味深いところです。

〜中略〜

Yahoo!のようなページビューの多いサイトは、バナー広告の単価が高いのでニュースを購入してでもページビューを増やした方が結果的に利益が出るという話を聞いたことがありますが、mixiもその域に達したということでしょうか。

もちろんこれだけでも「すごいな、、(バナーで手離れよく儲かってうらやましいなチクショウ)」と思うけれども、mixiがニュースを持つことの真価はそれだけじゃなさそうだ。

SNSはとりあえずは、滞在時間でなんぼ、PVでなんぼ、の商売だろうから当然ながら内部でトラフィックを回流させる方向を志向する。

内部でニュースを持つことで、

  • mixiでニュースを見る

だけではなく

  • mixiでニュースについての誰かのコメントを読む
  • その誰かの参加しているおもしろそうなコミュニティに出会う

のような経路を作って参加者のアクティビティを活性化できる可能性がある以上、まぁやっぱり内部で作るよな、と思う。

ニュース伝播エンターテイメントとしてのmixi

おれ個人は、最近ブログが流行ってからは、気になるニュースを見るとはてなブクマとかtechnoratiとかで被引用コメント辿ってどんな感触でそのニュースが受け止められてるのかを確認するようになった。(「blogosphere」とか大仰に意味づけするのも恥ずかしいけれど。) ほかにも、2chブラウザ使って関連のニュースの2chスレッドを探すこともある。

まぁ暇なときにでもニュースに対する反応を見て、楽しみたいわけです。

非ネット時代であれば、TVカメラ構えて街頭インタビューするか、本気になって足で取材するかしないと、こういう「感触」の情報はとれなかったはずだ

それがWebの進化によって簡単にできるようになったのはすごいことだなと思いつつも、そんなことをツール使って喜んでやるのは一部のニュースジャンキーだけだと思っていた。

mixiニュースはそれを御託なしで、娯楽的に実装した。これって単純に結構すごいことなんじゃないかと思う。穏当な2chを作るようなもんだ。

Yahoo掲示板とか、ニュース単位の掲示板というのはこれまでもあったけれど、「無理してコミュニティ化させてる感」が強くて、かつ発言者も属性が偏りそうでしっくりこなかった。mixiはもともと「人が集まっている場所」だから、「とりあえず行けば誰かコメントしてるだろ」的な期待は持ちやすい。

mixiの「ニュースごとの被引用数のデータ」の意味

もうひとつmixiニュースのすごいところは、ニュースごとの被引用数のデータを手に入れたことだ。

おれは「はてなブックマーク」、ニュースフィルタとして便利に使っているけれど、ずっと使っているとどうも同じ傾向のネタばかりが拾われる傾向にある。これはもちろん「はてな」の会員属性の問題。

はてなブックマークの人気エントリは、少なくとも現時点では「ある特定の属性の人の」人気エントリでしかない。

ところがmixiは、会員数数百万を誇る上に、会員の属性もかなり一般人に近い。

細かいことは知らないけれど、ITリテラシなにそれ食えんの?みたいな友人もmixi大喜びで使ってるところから見ても、はてなとの傾向の違いは肌感覚でわかる。

同じフィルタリングされたデータであれば、属性がマスに近いほうが売りやすいだろう。

このmixiの被引用数のデータ、多いものでは200近いものもある。はてなブックマークの上位は1000件前後なので、フィルタリング用データとしては桁のレベルでは近いところまできている。

mixiは加えて個人の属性まで持ってるから、もうほんとに統計処理したデータならどうとでも売れる。

もうひとつさらに。コミュニティーとニュース引用の関係もとれる。

もうひとつ、すごいなと思ったのが、引用者の興味関心(参加コミュニティとか)とかとクリップ情報を結び付けられるというところ。

いま現在でも「関係のあるコミュニティ」が表示されているけれども、これで完全に「このコミュニティに参加している人がよくクリップしているニュース」機能が実装できるようになった。

自分が関心あるコミュニティにいくつか参加しておけば、コミュニティごとに自動的にニュースが集まってくる機能までは、あとわずかだ。

個人的には、役に立つかどうかはまだわかんないけど、それを期待したいなぁ。

あとは、、

このへんを読むと、

笠原氏は「コミュニケーションのハブ的な役割ができるサービスを目指した。今後も、コミュニケーションを加速させ、新たな価値が生まれるような新サービスを追加していきたい」と語った。そして、ニュースのブックマークやRSSリーダーのような新機能も検討している。

あとは言及とかめんどいことしなくてもすむ「このニュースをクリップ!」機能だと思うけれど、「対人コミュニケーションの加速」という軸をぶらさずにどこまでやれるかすごい楽しみ。

アメリカでMySpaceの存在感が猛烈な勢いで増していて

会員数が毎月500万人ペースで急増中で,そのペースは今も続いている。現在の登録会員数は5400万人に達した模様。当然,ページビューもうなぎ登り。comScore Media Metrixによると,2005年12月の総ページビューは176億ページ。これはYahoo!, Time Warner /AOL , Microsoftについで4番手。6番手のGoogleと比べると,2.5倍ものページビューとなる

買収したマードックの鼻息もフガフガだということを考えると、mixiの行く末はほんとに楽しみだ。

近江商人 JINBLOGさんがこんなことを言っているけれども完全に同意。

今のネットユーザー内マス化の段階(個人的には3周目と呼んでいる)に入っているmixiに期待されるのは、ユートピア的インターネットの理想を追求することではなくて、より裾野の広い人々にインターネットコミュニティへの接触と体感をもってもらうことだと思います。そして次の次の段階くらいに来る、より裾野の広がった群集の叡智を日本のインターネットにためていってもらうことなんだと思います。

賛否両論はあれど、雨あられのようなユーザーからの新機能追加要望をじっと耐え、必要なところに絞って一気に狙いすまして攻めてくやり方はたいしたものだと思う。

そして、できるならばおれもそう振舞いたいものだ。

しかし、mixiぐらいの存在感になれば、「SNS」だとか「SBM」だとか「ブログ検索」「Web2.0」だとか御託ならべなくても、うまいこと実装するだけで、「mixiのあの機能」というだけで使わせることができるんだなぁ。

このポジションは強いなぁ。