Web2.0対応のマーケティングツールの実像

こんな記事を読んだ。

この記事を書いてくれたら、あるいは、この商品を売ってくれたらアフィリエイトでいくら支払いますというアプローチではなく、アフィリエイトがなくてもブロガーがその商品の情報について書いてくれるような環境作りこそが広告会社の仕事です。

この認識はいたってまともだと思う。じゃあこのへんの考え方をツールとしてどう支援するのか?

Web2.0対応のマーケティングツールに求められるもの

CGM、remix、Web2.0あたりの流行りタンゴでひとくくりにされるなにものかがお金を生むかどうかは、言い換えればネット上での口コミメディアが広告媒体としてクライアントが評価するに足るものになるかどうか、ということだと思う。

もっと具体的に言い換えれば、いま検索広告から生まれているトラフィックと同程度のトラフィックCGMやアグリゲータが生み出すことができて、それを数値化できて、さらにその数値を変動させる要素を特定できるようになるかどうか、ということだ*1

ツールは、それを支援しなければならない。

現実にあるツール

いま、所属先の会社で提供しているサービスでは、RSSの購読者数やアイテムのクリック数なんかは普通にリアルタイムでグラフ化できている。アイテムクリックの時系列で見た変動は、メールのクリックとかとほぼ同じ山型になり、予想していた(再利用される部分とか)より有効期間が短いとか、(あくまで現時点では)平均したクリック率が比較的高いとか、まあおもしろいデータはいろいろとれる。

しかし、Web2.0マーケティングに利用するとなった場合、単純にRSSからの直接の効果だけでは足りず、本来であればWeb2.0的な口コミ網に最終的にどれだけ露出したかの実効値(コピペ程度のアフィリエイト狙いとかは除く)を取得しなければならないはずだ。その数値も測定できるからこそのWeb2.0なんだから。

実はこのへんのプロトタイプも作ってはいる。Permalinkに対するRSSの効果とCGM、Blog、SBMなんかの被リンク数を取得するタイプだ。が、このへんの実際の数値は現時点では、Blog、Web2.0周辺技術以外のトピックでは試すのが恐ろしいほどわずかな数値しかでないだろう。「ホームページ」の利用者属性に偏りがあった時代と同じく、Web2.0的なツールの利用者は(Blogを含めても)まだ母数が少なく、利用者属性もおそろしいほど偏っている。

そのギャップをどう見るか?

Yahoo360!やGoogle Personal*2が本当の意味で人々のスタートページとなる時を遠くににらみつつ、いまは、メールを代替しつつあり、かつBlogの伝播手段となっている「RSS」の効果測定を重視していくのが、マーケティングツールとしてBlog/RSS/Web2.0を考える現実的なアプローチではないかと思っている。

まぁこんなこと言っていても、社内の営業担当さんは「RSSの説明」や「その作り方の説明」に汲々としているという当たり前の現実もあるわけですが。

*1:そして、その要素はきっと口コミメディアへの広告出稿ではなく、消費者に情報/モノを楽しんで消費してもらえる物語が作れるかどうかなんだ、という意味で高広さんのビジョンに共感。

*2:まだないけどきっと出てくる。出てくるはずだ。orkut?