「remixが可能になる」ということは、消費者との接点がコンテンツクリエータから切り離されるということ
風邪から半分復活。勢いで書いてみる。
いつも有益な情報を出してくださるメディア・パブさんで、コンテンツクリエータとアグリゲータについての記事がアップされていた。
ちょっとこれについてアタマんなかを再整理。
RSS(を筆頭とする伝播型コンテンツ)の登場によって、メッセージの伝達構造はどう変わったか?
以前、所属してる会社で運営しているサイトのコラムで、RSSをとりまく業界の構造についてアイディアを出した。
今後RSS関連のサービス提供者が増加した場合、メッセージ発信側は単純に「自社←→顧客」間の直接のコミュニケーションを考えるだけでなく、RSSがどのように再利用されるのかを見越したメッセージ戦略を立てる必要がでてきます。
そのなかで、下記のような見取り図を作った。
- ポイントは、メッセージの発信者と受信者のあいだに、アグリゲータと価値付加者のポジションがあることだ。
- これはRSSが、計算機による再利用が容易なXML形式であるからこそ。
- メールやWEBや紙でこのポジションをとることはコスト的に難しい。
- だから旧来の媒体では、コンテンツを発信することのできるクリエータやホルダが、消費者との直接の接点となり、メディアたることができた。
- しかしこれは、消費者の利便性という観点からすると、必ずしも最善の形ではない。
- コンテンツの発信者ごとに、消費者は個別に受信や管理の手間をかけなければならないからだ。
上記のモデルが普及する過程で、メディアの立ち位置はどこに?
- これがRSSの普及により、コンテンツremixが可能になるとどうか?
- 消費者にとっては当然、望む情報をワンストップでremixして届けてくれたほうが利便性が高い。
- それを指向しているのが、Googleであり、Yahooであり、その座を狙うBloglinesやtechnoratiであり、ニッチ市場を狙うはてなであり、といったポータル、アグリゲータたちなのだと思う。
- こうした状況を見ていると、「消費者の利便性」という観点から、メディアがもつべき機能が洗いなおされているという感がある。
- メディアたるか否かは消費者との接触面をどれだけ拡大できるかにかかっているのだから、その意味で「コンテンツクリエーターとコンテンツアグリゲーターとの間を線引きして,メディア企業かどうかを判定するのは無意味」というのは間違いない。
- こうした環境の変化(かなり強烈ではあるが)に対応できない旧来のメディアは、広告「媒体=メディア」としての価値を諦め、コンテンツクリエータとしての付加価値を見直すしか生きのびる道はないんじゃないかと思う。
追記
- テレビのチャンネルとかも究極的にはそうだ。見たいと思った瞬間に、既存のコンテンツからremixして常に一番見たいものを見せてくれるメディアがあれば、時系列の番組表なんていらない。選局なんてしたくない。
- 探す気力があるときはhotlistとサーチがあればいいし、探さないときはbloglinesみたいなお気に入りチャネルを漫然と見る。