Technoratiベータ版と、検索軸としてのfolksonomyの強み

Technoratiのベータが、タグ関連サービスから情報ひっぱるようになってた

Technoratiで「RSS マーケティング」の二語を検索してみるとこんな感じ。

単純なキーワードマッチよりも、タグでのマッチを重視している。

その右には、FurlDel.icio.usへの同タグでの検索結果へのリンク。

現在のTechnoratiが単純に、該当語を含むエントリを(被言及数の情報を付加しつつ)並べているだけなのに比べると、だいぶ情報の検索結果の有用性と言う意味では向上する気がする。

検索軸としてのfolksonomyの強み

過去に言及したfolksonomyのSWOT分析みたいな記事によれば、従来の情報分類アプローチには「専門家による分類」か「書き手による分類」の二種類しかなくて、それぞれ次のような弱みを抱えていた。

  • 情報分類方法とその欠点:
    • 専門家による分類/定義: 高コスト、コウモリ問題
    • 書き手による分類/定義: スパム耐性低

従来の検索エンジンは、結局これらの組み合わせで、検索結果を出力していたのだが、なかなか上記の問題を解決できなかった。

  • 情報分類方法と検索エンジンの形式:
    • 専門家による分類/定義: Yahooなどディレクトリ型
    • 書き手による分類/定義: ロボット型

Googleは、被言及数を利用するという形で、専門家による分類定義を自動化(低コスト化)したことにその強みがあった。

が、ここに来て検索にタグ、folksonomyを利用するというアプローチが出てきたことで、検索にも変化が出そうだ。

  • 第三の軸としてのfolksonomy
    • 利用者による分類/定義: 低コスト、スパム耐性高

現在のところ、Googleなどのインデックス数と比べ、タグ情報の母数は圧倒的に少ないため、folksonomyだけでは検索結果が偏る可能性がある。ただし有益かつ新鮮な情報を出力できる可能性も高い。単純なキーワードマッチ×被言及数の情報を補足的に出す、というTechnoratiのアプローチは、folksonomyの現時点での弱点を補うアプローチとして正しいように思える。

追記:

folksonomyでの検索が使われるようになると、既存のSEOのテクニックというのはかなり重要度が下がる。

SMO的なアプローチによって、多くの利用者にタグ付けしてもらった方が、検索エンジン対策としても有効になりそうだ。

SMO的なアプローチというのは、バイラルマーケティングにおける公式「アイディアのおもしろさ×紹介しやすさ」の「紹介しやすさ」の部分がWeb2.0によってレバレッジされた環境で、(それに適応しながら)バイラルマーケティングを実施する、ということに近い気がする。

これが、SEOにとっても重要になる、時が来る、はず。だと思う。