正体をあらわしはじめたGoogle Base。通常検索の絞込みに使われることのインパクト。

アドイノベーターさん経由

Googleが不動産関連のワードの通常検索に対して、実験的にGoogle Baseを使った詳細検索ボックスを表示しているようだ。下のサイトでは「homes for sale」と検索した結果画面のキャプチャをのせている。

Below is a screen capture of what Google is showing for the keyword “homes for sale”. Since they are already showing three paid listings on top of the organic search results it is interesting they would take away even more page real estate to add a search box for real estate listings in Google Base.

(試しに自分でもやってみたが表示されなかった、、。)

同サイトでは、「すでに上部に広告を表示しているうえに、さらにその下にBaseの絞込みボックスが表示されることで、モニタ上で最初に表示されない領域にまでオーガニックサーチ結果が押し下げられてる。上位に来ることの意味がかなりうすれるよね」と分析を続けている。

不動産検索、、、。

これが例えば日本で実現すると、「東京 マンション」と検索すると、「価格」や「沿線」で絞り込めるフォームがGoogle上に表示されるようになる感じだろう。

現時点で、Google Baseへのアイテム登録は無料であるため、例えば売りたいマンションを持っている事業者はGoogle Baseの簡単なWEBインターフェイスから情報を登録するだけで、これを利用できるようになる。

Google上で、条件の絞込みまでできるようになると、現在そうした機能(だけ)を売りにしているサイトにとっては影響が非常に大きいのではないか。

同じく、仕事情報も。

同じくcheezhead.comでは、仕事関連のワード検索時に、Google Baseのフォームが表示されることを紹介し、「オンラインの人材関連業界に大きな影響がありそうだ」としている。

I fully expect the integration of Base job content to have a major impact on the online recruitment industry. This should help prove that point. Before too long, Google will have the No. 1 search result for all job-related searches.

「エンジニア」で検索すると、「業界」「給与」「勤務地」などで絞り込めるイメージだ。

例えばこんなイメージ

WEBからクローリングして情報を集めているジャンル特化検索エンジンだけれど、こんなサイトがある。

http://vast.com/

例えば検索タイプ「jobs」、キーワード「engineer」で検索した結果のイメージが下記だ。

Google Baseの絞込みがこれくらい洗練されてくれば使いではあるだろう。

まだまだある。影響を受けそうな業界。

例えば、下記のリストは現在Google Baseのトップページに表示されている主なデータタイプだ。(分類は勝手にした)

  • コンテンツ系
  • 人系
    • 人(出会いとか求人とか)
    • 仕事
  • 商品系
    • レビュー
    • 商品
    • サービス
    • 割引クーポン
  • リアル系
    • 住宅
    • イベント
    • チケット
    • 乗り物
  • エンターテイメント系
    • ワイン&食べ物
    • レシピ

これだけで、けっこうな種類の「検索型」サイトが影響を受けることが目に見えている。そのほかにも無限にデータ型を作ることができるのは既に話題になったとおりだし。なんでもありだろう。

ただジャンル特化だけであれば対して怖くもないが、ポイントは、Googleの通常検索結果と統合されているため、Googleにきているトラフィックをほぼ完全に活用することが出来るという点だろう。

ユーザーは何も考えずにいつも通りに検索し、出てきたフォームに関心があれば絞り込む、それだけでいい。

どんな情報構成のサイトが影響を受けるか

日本で影響がありそうなのはリクルートみたいなところだろうか。こと検索だけに限れば「リクナビ」「住宅情報ナビ」はじめ、軒並みぶつかりそうだ。

リクルートの強みは、編集(&コンテンツプロデュース)能力にもあると思うので完全なバッティングはしないだろうが、検索機能をGoogleが持ってくれれば、営業力が必要な情報収集も、資本力が必要なデータベース化も不要になり、「コンテンツ制作能力」だけで勝負することが出来るようになる。

コンテンツ編集/制作というのは、小規模でも勝負がかけやすい部分なだけに、「情報仲介」業の参入障壁は確実に下がる。

Google Baseが出すべき次の一手

おれがGoogleの中の人であれば、「Google Baseの検索フォーム+検索結果のリスト表示」を、どんなサイトにも組み込めるパーツを無料公開する。

そうすれば、「CMSGoogle Base+おもしろい人間(コラム、編集者)」の組み合わせで、簡単にバーティカルポータルを立ち上げることが可能になり、情報仲介関連のサイトの多くの収益に食い込むことが可能になる。

AdSenseのパワーアップ版みたいなもんだ。

Google Baseをどうカネに変えるのか?

案1。

価格 アイテム登録数
無料 100未満/月
10ドル 1000未満/月
: (以下続く)

案2。

単純にBaseの検索結果画面枠をキーワード売り。

「港区 マンション」の画面に対し、「千代田区も検討してみては」みたいな広告を出せる。

、、、、うーんどっちもぱっとしないな。

Google Baseの課題

もちろん課題もある。耐スパムの脆弱性だ。

現在、Google Baseには、価値の低いアイテムを排除する仕組みとして「このアイテムを悪いアイテムとして報告する」みたいな人力に頼った仕組みしかないようだ。これだけでは無価値なデータがあふれるようになったとき、それをフィルタリングする仕組みとしては不十分だろう。

しかし、ベイジアン系のフィルタとかをうまく組み込むこともできないんだろうか。最近のそれ系のフィルタの迷惑メール判定精度を考えると、うまく仕込めばけっこう使えそうなもんだけど。