id:umedamochioさんの「ウェブ進化論」出版記念イベントに遊びにいかせてもらった
id:kawasakiさんからお声をかけていただき、遊びにいってきた。
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
- メディア: 新書
- 購入: 61人 クリック: 996回
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本を事前に送っていただいた。すらーっと読めた。
Web2.0とかなんだかんだ方向性としてしか存在していない漠然とした印象を、このわかりやすさにまとめるの大変だよなぁ。というくらいきちんと整理されている。とりあえず自分の父親とかに読ませてみたくなったです。
イベントレポートというかログというかは下記ほか、著名ブロガーのみなさんがまとめてらっしゃる。
- 第一部 【梅田望夫がブロガーと語る「ウェブ進化論」】ネット社会で既存メディアはどう変化するのか
- 第二部 【梅田望夫がブロガーと語る「ウェブ進化論」】グリー山岸氏やはてな川崎氏と語る「これからのSNSとブログ」
- 生ログ 近況 - 梅田望夫がブロガーと語る「ウェブ進化論」ログ
ネットの向こう側の方々とリアルでお会いするのほとんどはじめてなので、どきどきしながらいきましたよ。
おもしろかったこと 梅田さんのネット悲観論
梅田さんが「ネットが既存メディアに与える影響はそれほど大きくない」旨の発言を繰り返してたことが一番意外でおもしろかった。
例えば。
経済の面からも「ネットの世界に比べてリアルの世界は動く金額も大きい」と梅田氏は指摘。「Googleのように規模で小さい収益を集めるか、もしくは低コスト構造でないとネットは回らないだろう。雑誌のように1回のヒットで2桁億を生み出すような構造は生みにくい」との考えを示しつつ、「人口の半分までネットが普及したとしても、まだリアルのメディアのほうが経済の力は大きいのではないかという気がする」と述べた。
こんな感じの発言を比較的何度も繰り返してた。スジガネ鉄板いりのGoogle原理主義のお方なのかと思ってたから意外でした。
ベンチャーキャピタリストという立場から、「現実を変える」と公言する星の数ほどのベンチャーの夢の跡を歩いてきた人だからこそ、「まぁそんな簡単じゃないぜ」という趣旨の発言なんだろうなと思う。
とりあえず反発してみる
でもおれは「現実変わるのまだ時間かかりそう」ってのと「革命おこるぜ」っての、どちらか選ぶなら
既存メディアはネットによって再定義される、革命が起る
という根拠の無いビジョンを信じるな。
だっておれ梅田さんより18年分も若いんだもの。見える未来が違わなきゃ、若いのと遊んでくれようとしてる梅田さんに逆に失礼だ。
例えば、梅田さんは、「例えばレコードからCDへは、ステークホルダがみんなモチベーションがあったから一気に変わった」けれど「マスメディアからネットメディアへは、みんな儲からないからやりたくないんじゃないか、という気がする」旨の発言をしてたけれど、それはまさに「イノベーションのジレンマ」そのものなんじゃないか?*1とか。
例えば、R30さんの「ニーズとコンテンツのマッチングについてはネットが絶対強い。マッチングの主導権はネットに必ず移るはず。」という問いに対して梅田さんは反論しきれてなかったんじゃないか? とか。
例えば、R30さんの「Web2.0の本質は、インターネットが物事のバックエンドで機能するようになったこと。ネットそのものを使いこなさない人や場面でも、知らずにバックエンドで動いているインターネット的な編集の恩恵にはあずかるようになる。」という点についても反論なかったよな、とか。
そんな漠然とした予感をかき集めると、どうしても自分のなかのインターネットの未来というのは大きく大きくなっていく。やっぱり革命が起るに違いない、と。
そして気がついてみる
で、あらためてというかいまさらというか気がつくのですけれども。
梅田さんの本の題名が「ウェブ進化論」だということと、そして、橋本大也さんが「まぁ本の題名では『進化する』と言い、ここでは『進化はゆっくりだ』というアンビバレント性が今日の、、」と締めていたことに。
そうだよ、、自分のなかの漠然としたものをこんなにわかりやすく示してくれた本を書いた人じゃないかこの人は。
そんなわけで、これほどの本を書いた人でさえ、日本のエスタブリッシュメント層を見ていると「変化しない」んじゃないかという気になるのか。ということを、リアルに体感できたのが一番貴重な体験だった。
おれが全く会ったことなくて、梅田さんが顔つき合わせて仕事してきた人たち、そんな感じなのかーと。
なんか、これ以上書こうとしてもおもしろかった論点ありすぎて書けなくなりそうなので、今日はこのへんでアップしちゃおう。
それにしてもR30さんの言語化能力はすさまじいなぁ。ブログ見ててもすごいなと思うけれど、トークがあれだけ切れる人はけっこうひさしぶりに見た気がする。
楽しかった感謝の意をこめてもっぺんはっとこ。
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
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楽しかったです。ありがとう梅田さん、パネラーのみなさま、そしてkawasakiさん。
ご挨拶させていただいたみなさま。ありがとうございました。わたくし社外にあまり出ないひきこもらーですけれども、また機会あったら話しに出かけてみたいなと思いました。また遊びましょう。
おまけ
しかし。
余りの濃い議論に帰りにぼーっとしてたら、入場時に渡された、おっきく「kokepi」って書いたシール胸に貼り付けたまま電車にのってました。赤面。
誰かにみられたかな、、。あやしいよな、、。