ウィンドウズVista とグーグルが、「Feed API」というプラットフォームで激突する
GoogleがFeed APIを公開するかもというのは、けっこうデカい記事。
Niall氏の予測では、例えばGoogle自身もGoogleデスクトップがFeed APIと連動してデスクトップ自体をRSSリーダー的に利用できるようにするだろう、と言っています。
以下、MSの動向との関係を考えてみる。
先駆けていたMSの動き
FeedのAPIについてはMSが先駆けてこんなスローガンを出して、
こんな絵を描いていた。Windows Vistaのお話。
(上記2スライドは、PDC05 "RSS in Windows Vista" Amar Gandhi, DAT 320, RSS Enthusiast & Group Program Manager, Microsoft Corporationからの引用。「Microsoft Team RSS Blog : Team RSS at PDC '05」)
これによって、下表のようにWindows帝国の支配下からインターネット上に逃げだしつつあった、情報利用プロセスにおける高付加価値ポジションを再度取り戻そうというのがMSの目論見であっただろう。
- 情報の再利用過程
コンテンツ | メディア | サーチ | ブラウズ | アナライズ | パブリッシュ | |
過去 | 4大マス | ポータル | Yahoo | IE | Excel&Access | Word |
現在 | マス+CGM(Blog,SNS,SBS) | アグリゲータ(GooglePersonalizedとか) | 同左 | Firefox+Plugin | ? | Writly,Wiki,Blog |
MSがここにFeedAPIを持ってきたのは、RSSの利用動向を抑えることで情報のサーチ〜ブラウズあたりのプロセスへの影響力を手に入れられるからだ。API化してWindows Liveで使えばメディアの位置にも入れるし、BlogやWritelyとかに相当する機能と組み合わせれば、パブリッシュ部分まで影響力を持てる可能性もある。ともかく、RSSによって圧倒的に伝播再利用しやすくなった情報の流通経路を、なんとしても抑えたいわけだ。
Googleの思惑と、MSの思惑
そんなわけで、上のスライドをみて「MSもさすがだな」と思っていたんだけれども、Googleも当然ながら手は打っていたということだ。
- MSは、OSを経由した情報再利用プロセスを構築することで
- Googleは、すべてがインターネット上で完結する情報再利用プロセスを構築することで
それぞれ優位に立とうとしているのだろう。
冒頭に引用した部分だけれども、GoogleにとってのGoogle Desktopは、Windows帝国に打ち込んだクサビであり、Windows帝国の向こう側にいるエンドユーザーに近いところの砦であるから、当然自国の勢力が優勢であるインターネット地域とをつなぐFeedAPIという補給路を通すと、そういうことなんではないか。
RSSを企業が効率的に利用するためのツールを売っている(売ろうとしている)身としてはうれしいニュースではあるけれども、今後FeedAPIの普及によって起るであろう激動を考えると、自分の勤務先がついていけるのか恐ろしくもあるな。