RSSを再利用してそこから収益を得る行為(広告とか)を、条件付きで正当化できないものか?

RSSXMLXMLは機械による再利用が容易。だからRSSは、再利用による可能性がある。

エンドユーザーに購読させるだけでなく、価値付加サービスに使ってもらえるから。ヒトだけでなくサービスが購読できるから。自分が思いつかない価値を、第三者のサービスがつけてくれるから。

そう理解している。

で。

再利用に対する対価は?

再利用に対する対価が問題だ。

まだ萌芽ともいうべき段階だけれども、RSSフィードを再利用するサービスがぽこぽこ登場してる。

一番シンプルなのはこういうやつ。

Egor will combine multiple feeds into a single simple feed

複数のフィードをまとめますよー。みたいな。

このとき、こいつが広告入れるのは許されるんだろうか?

MyRSSの中の人のBlogでこんな問題提起があった。この判決からすると、上記の再利用サービスが収益を得ることはどうもダメっぽい。

簡単にまとめると:
 ・個々の記事見出しについては著作物とは認められない
 ・しかし、新鮮な記事見出しをまとめてコピーして営利目的で配信するという行為はコンテンツホルダーの利益を違法に侵害しているといえる

個人的には、今回の判決には基本納得だったりします。

現行の著作権の枠組みを考えると、同じく納得できる。

ただ、せっかく再利用による価値付加が可能なRSSというメディアなので、なんとか再利用可能な枠組みも模索したい。

トラフィックを、引用元に対する対価と考えられないか

再利用されることで、引用元(RSSの配布元)にメリットがある、ということが定量的に認知されればいいのではないかと考えた。

例えばトラフィック

SEOとかキーワード広告にかけるコストというのは、だいぶ正当なものだと認知されてきた。上場するとこもあるようだし*1。いずれにしろ検索からのトラフィックに使うお金って、結構いってるんじゃないかという気がする。

ということは、先ほどの例で言えば、月一万円の損害に見合うトラフィックがくればいい、ってことにはならないものだろうか?

ちなみに損害額は「算出困難」として、月1万円となっています。

RSSのアイテムには、さいわいなことに見出しや概要とともにリンク先が含まれている。クリエイティブコモンズにある同一性保持権でしばっておけば、これを書き換えて再利用側がトラフィックを横取りすることは禁止できるはず。

あわせて、「帰属」によって引用元明示も必須になるため、良質なコンテンツを配信しているソースだという認知もえられる。

(しかし、50箇所で再利用されたら50万円分のトラフィックがこないといけないな、、。リスティング広告と違って、露出先をコントロールできないので企業側からしたらリスクは大きいか。)

非商用にもクリエイティブコモンズのライセンスで対応できる

もし、上記の判決に沿った再利用をさせたいのであれば、クリエイティブコモンズの「非商用」が含まれたものを採用してRSSに含めておけばいい。

そうすれば再利用サービス側で、機械的に「このフィードは使っていい」「このフィードは使っちゃダメだ」と判断できる。

どっちにしても常に「商用再利用禁止」だと、RSSというXML規格の可能性がちょっぴり狭まる気がする。

そんな時、クリエイティブコモンズは、再利用を前提としてその形態をコントロールするライセンスとして優れているし、XML表現できるのでRSSとも相性がいい。

結論:RSSにはクリエイティブコモンズのライセンスを含めるべき

RSSにはクリエイティブコモンズのライセンスを含めるべき。

とにかく。ツール側、エンドユーザ側で、どうとでも好きにコンテンツを処理できるようになっていくわけだから(読みにくい広告なんてツール側で削除されるはず/べき)、そんなWeb2.0時代の要請として、エンドユーザーの利便性向上のためになにができるかをXML/RSS利用時の大前提とすべき。

べきべき。

*1:SEO会社って、検索エンジンのロジック変更とかに弱い気もするんだけどなー。リスティング広告の代理店としては固そうだけれども。