RSSリーダーコンポーネントにどう付加価値をもたせるのか?

パーソナライズドポータルサービス?である、Netvibes紹介記事を読んで。

RSS流通量の増大と質の多様化が促す、利用側アプリの発達

RSS出力機能を持つアプリケーションは物凄い勢いで増加している。

  • 企業サイト
  • Blog
  • 2ch以下、有象無象の掲示
  • ニュースサイト(Google News
  • SBMdel.icio.usはてな
  • 写真共有(flickr
  • カレンダー(rsscalendar.com)
  • ラジオ(podcast
  • テレビ(videocast
  • ビジネスアプリケーション(SAP、Salesforce紹介記事)など)
  • (セキュアRSSによって、近いうちにAmazonの購買やら、荷物配送やら、クレジットカード利用明細やら、公的手続きやらなんやらの個人情報に関わる部分も集約できるようになるだろう。SNSの情報もこれに含まれるかもしれない。)

また、これに呼応するようにGoogle Personalized Page、start.comなどを筆頭にRSSリーダーコンポーネントをページ内に(比較的)自由に配置できるサービスが続々と出てきている。

冒頭に上げたNetvibesはこの一派だ。

しかし、まあそんなサービスをいちいち探さなくても、wikiやblogなんかのアプリにはRSSリーダーが標準装備されているものも多い。

ってことは、冒頭の紹介記事にもあるけれど、ほぼどんな情報でも、ひとつの画面に集約させることができるようになってきた、しかも結構簡単に。ってことだ。RSSリーダーコンポーネントコモディティ化、と言ってみたりもできる。

ということは一方では当然、情報を拾ってきて見出しを並べるだけでは付加価値を生みにくくなるということでもある

独自技術なしにRSSを使ったパーソナライズドポータル単体で勝負していくのはどう考えても未来がない。

では、どう差別化するのか?

RSSリーダーコンポーネントを持つサイトの次の一手は?

その方向性を妄想。

  • 快適性の向上に機能特化する
    • 例えば、、?
      • Bloglinesの方向。やや先にFeedbringerか。
      • 映像とか音声とかに特化する、とか。
  • 重み付けを行う機能をつける
    • RSSリーダー部分に、なんらかの「重み付けできる」機能をつけて、より大量の情報を効率的に楽しく処理できるようにする方向性。
    • 例えば、、?
      • YahooNextのスライダの(紹介記事)ようなものをRSSリーダごとにつける
      • Alexaのように、アクセス数ベースの重み付けを行う。(記事単位じゃ難しいか)
      • はてなdel.icio.usのようなSBMサービスのAPIを利用してブックマーク数で重み付けをする
      • flashによるnewsmapのように、とりあえずビジュアライズしてみる
      • Rojoのように、SNSと組み合わせ、コミュニティベースの重み付けを行う
  • 情報を付加する
    • 例えば、、?
      • Amazonのように、「これをクリックした人はこれもクリックしてます」みたいな。
      • はてなブックマークのように、「この記事をブックマークした人はこんなコメントしてます」みたいな。
  • 他の機能の一部として設置する
    • RSSリーダーを並べられます!」みたいな単体で勝負せず、「ウチがもってるこの情報、この機能と一緒にRSSおけたらもっと使いやすいでしょ?」みたいな方向性。
    • 例えば、、?
      • SNSの一部として使う。よく見るSNSで、ニュースも見れたら楽だよね。あ、なんならほかのもまとめてどうぞ? みたいな。
      • blogの一部として使う。個人が、自分の望む情報発信をより達成しやすいようにサポート、みたいな。はてなさんもそうだ。
      • メーラーの一部として扱う。冒頭記事のGmailの話はコレか。
      • カテゴリーポータルに、いくつか関連コンテンツを読みやすくしたコンポーネントをおいておく? 不動産とか旅行とか金融とか。
      • Yahooやmicrosoftなんかは、テンコ盛りポータルにこれ組み合わせる方向で既に動いてる感じ。
      • なんでもアリだわな。社内blog。グループウェアetc
    • 一方で、ただRSSリーダーコンポーネントをおいておくだけで、ユーザーが狂喜乱舞して最も適した使い方をしてくれると思うのも多分甘い。なんか素敵な組み合わせの提案が必要なんだろう。
  • 突拍子もないところにおけるようにする
    • 従来継続的な情報摂取とは縁がなかったなにものかのうえに、RSSを読める機能をおいてしまう。
    • 例えば、、?
      • スーパーのPOP。
      • 本の裏表紙。CDジャケットのなか。
      • 大学や予備校なんかが配布する「利用の手引き」。
      • バーコードリーダー。RFIDリーダー。ケータイ。、、そんなんは普通か。
      • キャンペーングッズ、ノベルティ
      • 冷蔵庫(050921追加)
      • タンス(050921追加)
    • なんでも広告媒体化できるな。(050921追加)
  • プラットフォーム化してしまう
    • RSSリーダーを含む、ページコンポーネント開発のプラットフォームになって、第三者がより高付加価値をつけてくれることを期待する。
    • 開発者にいかに関心持ってもらうかがカギ。
だけれども。さらにブラウザ、ツールバーとも競争しなくちゃなんないようだ。

しかしこれが当り前となった世の中においては、Web2.0をめぐる議論でしばしば言われるように、「インターネット体験」は、単なるページの閲覧ではなく、データの加工表示と行動に対するフィードバックと情報の閲覧をセットにした体験になる。

だって、ニュースの見出しを読むのは、配信元で読むのではなく、なにか、より生活に密接したアプリの中になるわけで。

これは、MicrosoftがMSNブラウザやメッセンジャーで妄想していることとも、Yahooがwidget市場を狙っていることとも、Appleが音楽市場でやったこととも、きっと呼応している(に違いない。ような気がする。と思う。拡散しすぎてなんとも言えるんですが。)。

そうなると当然ながら、これまでただ効率的に「ページを閲覧」できればよかったWEBブラウザに求められる役割も違ってきているのだろう。

これは最近ハヤってげなオンラインアプリが軒並みツールバーをもっていたりすることとも、firefox拡張機能いじり(グリースモンキーを大いに含む)が楽しかったりすることとも、きっと呼応している(に違いない。さっきよりは限定的、、。)

次世代ブラウザとして噂になりかけている、flockってのはこのへんの新しい解を探るものであるようだ。

現在、われわれはインターネット上であまりに多くのサービスを利用するため、手持ちの素材を共有できないでいる。ブログ、写真共有、ウィキ(Wiki)、地図、ポッドキャスト、動画ブログはすべて別々のサービスだ。しかし、おそらく共通のユーザー・インターフェースをもつ1つのシステムにまとめられるだろう。

via:[N] 次世代ブラウザー「Flock(フロック)」とは?

ブラウザのスタートページが、アプリ化してRSSリーダーコンポーネントを持つようになる、、。

OSのデスクトップが、アプリ化してRSSリーダーコンポーネントを持つようになる、、。

データ─サイト─ブラウザ─OS─リアル。RSSリーダーコンポーネントによって、第三者の情報の再利用、見出し表示の機能がコモディティ化した世界で、どのレイヤがWeb2.0のアガリを掠め取るのか。関心を持って眺めていこう。

Appleが、音楽トラックをアルバムという牢屋から解放して、iTunesという自由に文脈を組み替えられる環境を用意し、その超高付加価値リーダーとしてiPodを準備し、さらにプレイリストというremixツールを提供して成功したようなことが、必ず起こるはずだ。

っていうかそう考えるとAppleテラスゴス、、。