高学歴を生かして創業資金を調達できる人は、その後も有能な傾向

こんなデータ見っけた。

起業資金規模を制御しない場合、起業後のパフォーマンスに対して有意なプラスの影響をもつ起業家の高学歴は、起業資金規模を制御した場合、影響を持たない

まず高学歴が「起業後のパフォーマンスに対して有意なプラス」ってのがあらためて驚き。そうなんだ。

同時に、高学歴であっても起業資金を調達できない人は、特に有能ではないってことね。

さらに読んでみると。

学歴が起業後のパフォーマンスに対して与える経路は、資金調達へのアクセスの容易さを通じてである

親が経営者である起業家は成功した親の資金的支援により支えられるものの、その影響を除くとパフォーマンスがむしろ低い

とかある。

いちおう最後にこう結論付けている模様。

これらの結果は反対から見ると、流動性制約に苦しむ起業家は、1、学歴が低く、2、親が経営者ではなく、3、経営経験が無く、4、資産活用と縁の無い起業家ということとなる。

我々はこうした結果について政策金融が是正措置を講じているのかについても分析を行った。すると、少なくとも一部でこうした不利是正が行われないということがわかった。そしてこのことは政策金融のついての広報、事業計画策定サービス等の強化といった政策金融実施面での新たな課題を与えるのではないかという指摘を行った

個人的な理解や疑問としてはこんな感じ。

「企業のパフォーマンスは、創業時資金規模と相関。創業時資金規模はいくつかの創業者の属性と相関。」
 ↓
「疑問1:創業時資金規模の確保が難しい属性であっても、有能な人を探せれば社会全体のパフォーマンスはよくなる?」
 ↓
「疑問2:その場合の不利是正の費用対効果はどうなのよ?」

実際、特定の属性を持つ人が、環境、経験面で有利なことは間違いないわけだし。

逆に不利な属性であれば、上記のポイントに注意して経験を積む/人脈を作ることで、成功の可能性を高めることが出来るともいえますね。

ちなみにデータの質はこういうものだそうだ。

データセット経済産業省中小企業庁が2001 年12 月に実施した「創業環境に関する実態調査

〜中略〜

1989 年から2002 年に起業した企業を母集団として、無作為抽出により15,000企業調査したものであり7、回収率は33.7%(5,055 企業)