情報だけで世界が成立していたらあなたの会社は生き残れる?

タイトルがうまく思いつきませんが、だらだらと思いつきを書きますよ?

情報が自律している世界に経済があったらきっとこんな感じ。

  • 構造
    • 生産:全ての情報生産者
    • 流通:広告屋アフィリエイト
    • 高速道路:検索屋
    • 小売
      • 百貨店:ポータル
      • 専門店:コンテンツサイト
      • 地域商店:個人サイト
    • 消費
      • 地域コミュニティ:CGM
      • 消費者:個人

みたいな感じなんじゃないか。

鉄道(XML/EDIみたいな)を敷設する資本力がなくても、コンテンツをRSSというパッケージに梱包することさえできれば、あとはXMLが開拓してきた道を走る100万台のトラック(無数のWEBサービス)が適切な受け手に届けてくれる。そんなイメージ。金融とかメディアとかはメタのメタとか複雑になるから無視。

<こっから妄想>

ろくに売り物作れてない生産者が「うちに直接足を運んでくれたお客様にしか商品は売りません」?


この例えでいくと、メディアならともかくそれ以外の企業が「コンテンツの二次利用を禁止する」ということが、どんだけ無謀なことかよくわかる。製造業者が「うちに直接足を運んでくれたお客様にしか商品は売りません」っていってるようなもんだ。

ところがインターネット上を流通するのは物理的な製品そのものではなくあくまで「それについての情報」でしかないわけで。ネットの先にいる消費者を自社のリアルの商品/サービスの利益につなげたいなら、「その商品/サービスについての情報」がインターネット上で売り物として耐えうるものになっていなければダメだ。

まともな情報も出せないのにネットに夢見て「自社でコミュニティサイトを作って、、」みたいなのは最低。ろくな売り物(コンテンツ)も作れないのに、自社で流通も小売もやりますみたいなのが成功するわけがない。お花畑で遊んでなさい。

ユニクロ無印良品みたいに垂直統合やりますみたいな方向もないではないけど、Amazonとかくらいまでそれに必死にならなきゃ無理だ。Amazonと同じ額をネットに投資する覚悟があるのか?

コンテンツ流通パッケージとしてのRSS

では、そんな世の中で、RSSというのは何に当たるのか。

RSSはこの世界の流通の標準化されたパッケージだ。コンテンツのサマリとURL(支払い口座)を含んでいて、届けたものが価値あるものであれば、受けてはトラフィックを口座に振り込んで、実際のコンテンツを受け取りにきてくれる。RSSを扱う事業者は、宅配便かもしれないし卸業者かもしれない。いずれにしても流通であることは間違いない。

現実世界では流通業は地理的な制約を大きく受ける。が。情報の流通はインターネットのおかげで地理的な制約を受けない。誰が作った情報をどこにどのように届けるか。発想と実装によって、無限大の可能性がある。検索をドアtoドアの高速道路(どこでもドア)にしたてあげた先駆者達を見ればわかるように。

パッケージが標準化されていれば、荷物の形や伝票がバラバラの基準で作成されていたらできないことがたくさんできる。

  • Xが作った商品(コンテンツ)を、
    • Aと組みあわせて、Bに届ける
    • Cにリアルタイムで届ける
    • Dの求めるタイミングで届ける
    • EとFとGに同時に届ける
    • Hのキーワードと組み合わせて届ける
    • Iが望む頻度で届ける
    • Jが望む基準でフィルタリングして届ける

こんな話をリアルの流通屋さんが実現するのはたいへんだけど、情報世界の流通屋さんならアイディア次第でいくらでも。ついでにWEB上のデータが、API機械的に取得できるようになれば、より高い付加価値をつけることができる。ただし、機能自体はいくらでもパクれるから、流通のデータを生かして自社しか知らない消費者のニーズ、トレンド、自社しか提供できない高付加価値商店みたいな強みを作っていく必要がある。つーぽいんとおーみたいな。

もちろん消費者のことは基本的に小売の人の方がよく知ってるから、直販の配送以外は小売にお任せする。パッケージの特性をよく知っている立場から、再梱包やオンデマンド配送みたいな小売のお手伝いに徹することができるはず。

それと現時点では、なんか届けちゃいけない荷物(再利用不可のRSS)もあるので注意が必要。そういうパッケージを作る人は、直販以外のチャネルで商品売られるのはお嫌いらしい。みんな欲しがってるのにね。届けていい荷物とその取扱については、クリエイティブコモンズのライセンスに書いてあるはず。

なんにしてもRSS屋が目指すべきものは、情報の流通改革だ。

現実世界との矛盾は解消するのか?

この考え方には決定的な問題がふたつあって、ひとつは対価たるトラフィックが現実世界では通貨として通用しないということ。もうひとつは、現実世界でも情報を売り物にしている場合それとカニバる、ということ。

この二つに現実的な回答を用意できない限り、上の比喩は夢物語。人様の脳をお花畑扱いしているおれの脳がいちばんお花畑。

ただ前者はこのへんとかの「ブログで転職!」みたいな話を見ると、個人については改善の方向性も見えてきている気もする。個人は値付けが曖昧だから、トラフィック→レピュテーション→リアルの商品価値、と変換しやすいからだろう。

情報の世界でトラフィックをたくさん稼ぐことが、現実世界でも売上げにつながるような構造ができてればOK。

後者については、合法的なところから情報世界に変化が起ることで、現実世界も変化を余儀なくされる線が一番可能性が高い。でもまだまだわからない。

とにかく。RSS屋としては、情報の流通改革が人に幸せをどうもたらすのか考えて妄想たくましく走っていくしかない。まずは、梱包するところで戸惑っているお客様のお手伝いから? それとも消費者にお届けするところから? やれることはたくさんある。

</ここまで妄想>