RSS使ったページのパーソナライズと、機能のコモディティ化
メディアパブさんで紹介されてたアメリカの地方テレビ局のこのサイトhttp://www.kutv.com、すげぇ。
このニュースサイトはどんな機能なのか?
- 上記サイトの機能はこんな感じだ。
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- 個別記事ページに、関連するキーワードのリストがついている(画面中段右「Track It!」の欄)。
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- これをワンクリックで、Google Newsのカスタマイズセクションのように、パーソナルページに追加できる。
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- アイテム単位で、ワンクリックで保存もできる。(これ、コメントつけられて共有できたらそのまんまSBMだ。)
- 要は、キーワード保存によるニュース購読と、URLクリップが基本的な機能になっている。
なにが面白かったか?
- 目ん玉飛び出るほど高額だった従来の1to1のパーソナライズエンジンを導入しても、ここまで洗練されたインターフェイスにはなかなかならなかっただろう。
機能のコモディティ化
- RSS、Blogという技術的ブレイクスルーがキャズムを越えたとによって、SBMとかBlogとかSNSとかの「機能」を提供するサービス分野は激しい競争のまっただなかにある。こうした「機能」を提供するサービスは、技術的ブレイクスルーによって可能になった付加価値を、高ユーザビリティで提供し、かつ露出を高めてユーザー数を増加させていくことでしか、経済的価値を増加させることはできないからだ。
- その部分での競争が進むことで、情報フィルタリングの機能はどんどん洗練されているが、一方でどんどん一般化、低額化(コモディティ化)しつつある。
- このコモディティ化された情報フィルタリング機能(例えば今回はPubSubの提供する機能)を、「機能」ではなく「情報」を提供するサイトが採用したことが今回のポイントじゃないかと思う。
- 例えば、Google Newsのパーソナライズ(単語を入力しておくと関連ニュースをクリップしてくれる)機能は、Googleの中の人があらかじめ情報ソースを一部のサイトに限定することで、キーワード保存機能の付加価値を高めている。
- Google Newsのパーソナライズ機能が出た当時は、「Googleだからこんな高度なことできるんだなぁ」とか漠然と思っていただけだったけれど、「キーワード保存」だとか「SBM」だとかの情報フィルタリング機能がコモディティ化しているならば、これを一般のサイトが利用するようになるのもそう遠くはないはずだ。
- 企業サイトやニュースサイトが、個々のサイトが持つ情報をエンドユーザーに最適化して提供することが、きわめて安価にできるようになる。ここに、Web2.0のもうひとつの可能性を感じた。
- 情報の受信者側ではなく、発信者側でのブレイクスルーもあるんだなってこと。
余談:キーワード保存、という機能
- 「キーワードを保存できる」という機能は、特定の関心(キーワード)を保存し、それについての未来の情報まで追跡捕捉できるという意味で、非常に有益なサービスとなりうる機能だ。
- ただこれは、なんらかの方法で重み付けしないとスパム耐性がない。livedoorやココログなど、メジャーなblogサービスの新着情報部分(重み付けなし)は、すでにアフィリエイト系やアダルト系のノイズが多い。
- だから、メジャーなサービスは、次のような方法でノイズを除去している。
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- Google Newsのパーソナライズ(単語を入力しておくと関連ニュースをクリップしてくれる)機能
- あらかじめ、ニュースソースを人力で限定することで、ノイズを除去
- 結果として、特定のキーワードに関連付けられた、きちんと編集されたニュースだけが、フィルタリングされて残る。
- RSS購読はできないが、アクセス時に常に保存したキーワードの情報が表示される。まぁ毎日アクセスするタイプのサイトだからいいんだろう。
- Google Newsのパーソナライズ(単語を入力しておくと関連ニュースをクリップしてくれる)機能
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- del.icio.us、はてなBM、
- ユーザーを登録制とし、登録したユーザーがブックマークした数が少ないものは、ノイズとして除去。
- 結果として、多くの人が面白いと思ったものだけがフィルタリングされて残る。
- 特定のカテゴリの新着情報をRSS購読できる。
- del.icio.us、はてなBM、
- 今回とりあげたニュースサイトは、あらかじめニュースソースを自サイトのみに限定するというアプローチだから、Googleニュースのアプローチに近い。
はてなブックマークに放り込むネタは二種類あるな
はてなブックマークに放り込むネタは二種類あるな
- 読み終わっておもしろかったもの
- こっちは記録と共有が目的
- 読みきれなかったけどおもしろそうなもの
- こっちは備忘が目的
ふたつをうまいこと区別できたらいいのに。
後者は、「どうせおれなんて意志弱いんだから後でなんて読まないだろ、見栄はるな」っていう脳内の声がブックマークしようとする意思をじゃまする。