rssと著作権:営利の二次利用をどう考えるか?

RSSXML、だから再利用しやすい。では、営利の再利用はどうなんだろうか?

調べてみたけどよくわからん。だれか詳しい人おしえてください。

◇フィードの改変は容易

RSSXMLなので、簡単に改変ができる。

ということは、外部の情報を再配布しつつ、自社の営利目的の情報を挟むことも容易に可能だということだ。

↓こんな感じ↓

・有名な会社(にみせかけたスパマーの)フィード
 └有名な会社のおしらせ
 └有名な会社のおしらせ
 └スパマーからのおしらせ
 └有名な会社のおしらせ

URLをみればバレる。しかし、アフィリエイトサイトなどで「@@(有名な会社)のRSSフィード」みたいなオススメがあったら、騙される人もいるだろう。ブラウザのブックマークと統合されたとすると余計にそうだ。

自社発の情報を他社に営利利用される、自社のブランドを他者の営利活動に利用される、そうしたことを情報発信元の企業が嫌うのは当然だ。

情報発信元は、そもそもは「著作権」という概念でこれを防御してきた。

しかし、RSSを伝播型コンテンツとして利用するには、内容の二次利用を許可した方が効果的だ。二次的、三次的な利用の禁止は、伝播そのものの制約となってしまう。

ではどのような制約の元でコンテンツをRSS公開すればよいのか。

◇営利の二次利用を禁止する?

営利の二次利用だけを禁止すれば、つまり個人的な利用の範疇で利用、二次利用を認める、ということであれば問題は解決しそうにも思える。事実、東京都など、現在公開されているRSSの一部はこの方針である。

その場合、営利目的で行われている各種アグリゲーションサービスに対しては、一括で禁止か、個別に許諾を行うか、どちらかの姿勢をとる必要がある。(もちろん自分から商用サービスにPINGうったりするのは論外)

前者であれば著作権は守られるが、アグリゲーションサービス経由の読者は期待できない。

しかし後者の場合であっても、許諾を行った相手に、再配布を禁止するよう強いるのは非現実的だろう。アグリゲーションサービスの多くは、XMLを集約して再配布することでベネフィットを作っているからだ。

つまり営利の二次利用を禁止する場合は、アグリゲーションサービス経由という大きな潜在購読者を断念しなければならない。

  • 東京都
  • All About

◇見出しだけ公開ならどうか?

読売オンラインのコンテンツ二次利用裁判の際に、「見出しに著作権はない」との判決が出ている。となれば自社発情報の見出しはいくら再利用されても文句が言えないことになる。この考え方であれば、見出しだけをRSS公開することにはなんの障害もない。実際に、コンテンツ二次利用にうるさい新聞社もこの形式で公開している。

しかし、この場合、コンテンツのクリックスルーが低下する可能性が高い。

Googleの検索結果で、有意な要約文が見えるコンテンツと、見出しだけしかわからないコンテンツと、どちらをクリックするか。それと同様のことだ。

◇見出しとサマリを公開、自由に二次利用させる?

上記を考えると、コンテンツの伝播力を最大限に生かし、自社のオンラインプレゼンスを高めるためには、RSS化された情報に関しては再利用を許可する、という姿勢が望ましいのではないかと思う。

現在でも、アフィリエイトアドセンスなど、自社のブランドや情報が、必ずしも自社の厳格な審査を通らずに利用されるケースは増加している。トラフィックアフィリエイトと考えれば、この方法が一番効率は高いだろう。

一部コンテンツ(見出しとサマリ)の二次利用を許可することで、結果自社のトラフィックや認知を向上できるのであれば、特に物販など、情報はエサで、情報以外に利益源を持っているタイプの企業はこれに積極的に取り組むべきだと思う。

ブランド系とメディア系は取り組み辛いかもしれない。ただし、コンテンツの全文配信をせずに、概要もしくは導入部分のみの配信であれば、もう二次利用の制限外してしまっていい時が来てるんじゃないか? メディア系では@ITは利用制約を完全に外している。

◇グレーゾーンで運用される現在

asahi、CNET、ニッカンスポーツなどは特別にRSSの利用方法を定めていない。

まぁこれがいいんだろうな、発信元が「正当な範囲を越える」と認識した時点で対抗策をとれるわけだから。

◇ついでだからアサヒの見解

著作権について(詳細)

 朝日新聞社asahi.com に掲載している記事・写真・イラスト類は著作権法による保護を受けています。著作権は、ベルヌ条約などにより、メーンサーバーによる世界への発信を行っている米国はもとより、受信している各国でそれぞれの国の国内法による著作権の保護を受けています。

 著作権者の許諾を得ずにasahi.com を利用できるのは、一般の方の場合、以下の【著作権の制限】に記載した「私的使用のための複製」及び「引用」などに限られます。ただし、利用が認められる場合でも、著作者の意図に反した変更、削除を行うことはできません。また、記事の概要がわかる形で要約することも、一般に著作権者の許諾が必要です。

著作権の制限】
 著作権者の権利が制限されるのは、いくつかの場合に限られます。このうち、一般の人に関係して、著作権者の承諾なしに著作物を使用できるケースとして、私的使用のための複製、引用などがあります。

1.私的使用のための複製

 私的使用とは、「個人的に、または家庭内その他これに準ずる限られた範囲内で使用すること」と定義されています。私的使用を目的とする複製は、使用する人が自分で行う必要があります。記事、写真などのデータをダウンロードしたり、蓄積したりすることも、著作権法上の「複製」に当たります。営利を目的とはしていない場合でも、また研究目的であっても、上に挙げた範囲を超えてダウンロードしたり蓄積したりすることは、私的使用とは言えません。

2.引用

 著作物の一部を使うだけなら「引用」として認められる、という考え方をしている人が多いようですが、著作権法では、引用については次のような規定をして、厳密な枠をはめています。

「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない。」

 「公正な慣行に合致」し、「目的上正当な範囲内」で行われる引用とは、通常、次の3つの条件を満たしていないといけない、とされています。(1)その著作物を引用する「必然性」があること。また、引用の範囲にも「必然性」があること。通常は、引用先が創作性をもった著作物であることが必要であり、「朝日新聞に次のような記事があった。」として、あとはすべて記事を丸写しにしたものなどは、引用には当たりません。(2)質的にも量的にも、引用先が「主」、引用部分が「従」という主従の関係にあること。引用した人が表現したい内容がしっかりとあって、その中に、補強材料として原典を引用してきている、という質的な問題の主従関係と、分量としても引用部分の方が地の文より少ないという関係が必要です。(3)引用部分がはっきり区分されていること。引用部分をカギかっこでくくるなど、本文と引用部分が明らかに区別できることが必要です。

 なお、引用には、「出所の明示」が義務づけられています。引用部分の著作者名と、原作品名を挙げておかないといけません。asahi.com の場合だと、最低限でも「朝日新聞社asahi.com ○○年○月○日から」といったような表示が必要になります。

 引用や私的使用のための複製といった正当な範囲での使用を超えてasahi.com を利用する場合には、朝日新聞社の使用許諾が必要になります。asahi.com の画面をイメージとしてとりこむ場合も同様です。

オマケ:rss著作権(弁護士さんのRSS配信)

http://www.yonekawa-lo.com/kenkyu/kn010.html
東京地裁平成16年3月24日判決(ライントピックス事件)があります。ヨミウリオンライン(YOL)の見出しについて創作性を認めず、著作物性を否定しています。

見出しだけなら二次利用ガンガンおっけー。とも解釈可能。